死にたいとあなたは言った
死なないでほしいと僕は思った

 

 

 

死なないでください、クロウリー

そうして僕は、あなたに手をさしのべた
あなたの手をはなさぬように ここまで歩いてきた
ヒビだらけのあなたの心が壊れてしまわぬように
そっと抱えるように見守りながら

闇から抜け出して
世界を歩き
あなたが見たことの無いものを一緒に見て
食べたことの無いものを食べ、
ともに眠り、目覚め
一緒に戦って 命がある事を噛み締めあい

月の無い夜は悲しいから、灯をつけたまま語り合った
冷たい雨の夜は苦しいから、楽しい歌も歌った
泣きたい時は、手を取り合って一緒に涙を流した
遠くはぐれても つないだ手をはなさぬまま

あなたにもう一度笑ってほしくて
生きてほしくて

でもすべては僕が望んだ事だと気がついた
あのとき、僕が誰かにしてほしいと思ったこと
手をさしのべてほしいとおもったことを  すべて
僕は自分を救ってほしかった
あなたを救うように
僕を

今のあなたにこんな事をいったら、怒られるかもしれない
だって今のあなたはとても、僕よりとても、強くて、優しくて

だから、今一度言わせてほしい

死なないでください!クロウリー!!
再び出会うとき、今度は僕に手をさしのべてください
必ず生きて…

崩壊の中で、
彼の声が心の底まで突き刺さる

僕は歯を喰いしばり
つないだ手を と き は な す 

 

 

 

 

信じているのだぞッッッ!行けぇッッ!!

 

 

 

 

 -ende-

Spiegel gegen einander -合わせ鏡-2009.5.13