花に埋もれて

彼女は

いま眠っている

すうすうと羽のような寝息をたて

砂糖菓子のように煌しく夢心地で

金色のほつれ髪が、秋も終わりの短い陽射しのなかでキラキラひかっている

私は言葉も忘れて立ち尽くす

神の祝福を目の当たりにして思い知らされる

エリアーデ

貴女ほど薔薇が似合うものはない

豪奢な赤い薔薇も

華奢な白い野いばらも

それどころか

柔い風も

温かな光も

碧い空も

大地の湿りも

神の作りたもうたという美しいこの世界すべてが

貴女の為に名を与えられ

貴女の為にこそつくられたかのように存在し

貴女を飾る事の出来る喜びに輝いている

エリアーデ

貴女には

この美しい世界のすべてが

とても

とても

よく似合う

ああ…

たった一つ

私というむごたらしい存在以外は…。

 

 

 

 

 - Il sole ed una talpa -(おひさまともぐら) ende2009.3.10