SILENTMORNING

 

 

誕生日ですね、クロウリー!おめでとうございます。この一年間がクロウリーにとって、いい一年になるように僕は祈ってます。
あの…きっとこれからもいろいろありますけど僕頑張りますから、よろしくお願いしますね。クロウリー。

 

クロちゃあん誕生日おめでとうさ。
で、俺さあ。今日はプレゼントがわりにクロちゃんのいうことなんでもきいてあげることにしたんさ。嬉しい?そっか、よかった
で、なにしてほしい?…特にない?えーそれじゃ困るさ。なんかあるっしょ?ない?ダメダメ。何か考えといて欲しいさ!じゃ宿題ね。頼むぜクロちゃん

 

クロウリーおっはー。
え?たいした用事じゃないんだけどお。キミ今日誕生日だよね。
というわけでボクから素敵なプレゼント。コムイ特製スペシャルシュークリーム。
はい、食べてみて?え?なんにも入れてないよアブナイものは。ただ少しだけ発動時のムググ
 あー室長昨日の報告書のことで補佐官が捜してましたよ。怒鳴られないうちに戻りましょうね。
スマンなクロウリーそれ危ないから俺のほうで始末するわ。
あ。誕生日だってな。
ハッピーバースデー!

 

おぬしいくつになったのじゃ?
ほほう…
まだまだ若いの
まあ若いと言うことはそれだけで可能性じゃからのう。ともかく祝辞を述べさせてもらおう。
めでたいな。アレイスター。

 

誕生日?
誰の

てめえの?
フン………そりゃよかったな
 コラ、ユウくん乱暴な言い方をするんじゃありませんよ。
クロウリーくん誕生日なんだって?おめでとう。
君に神サマの祝福があることを祈ってるよ。
君らもクロスがいなくてさぞかし心ぼそいだろう。あんな男だが君らにとっては師匠だからね。
困ったりしたら遊びにおいで。力になれることかあればなんでもするからね

 

クロウリーさん
お誕生日おめでとうごさいます。
あの
任務ではいつも足引っ張っちゃってすみませんこの前だってクロウリーさんが助けてくれなかったら私どうなってたことか。
今度は石につまづいたり、知らないドアを開けたり、綺麗なリボンを引っ張ったりしないように…
いやだアタシったら何の話してるんだか
と とにかく
お誕生日おめでとうごさいます。

 

クロウリー。お誕生日おめでとう!今年はホームで迎えられてよかったね。
ええとさっき兄さんがまたなにか悪戯しようとしたんだって?
んもう。兄さんたら
ごめんね、お詫びにこれ。シュークリーム
あ、もちろん安全だよ。食べてね!
じゃあまた後でね

 

 

 

 

 

 

クロウリーはにこやかに軽い会釈をすると自室の扉のノブを回した。
ベッドにポスンと倒れ伏すと深く息をはきだした。
…朝から皆が声をかけてくれる。
そのたびドギマギして何度も感謝の言葉を述べ、顔を赤くした。
しばし一人になりたかった。
嫌だからではない。
なんというか
嬉しい気持ちでパンクしそうなのだ。

「あれから一年、であるな」
誰に言うわけでなくつぶやいた。
朝日がさして空気がきらきら輝いていた。

 

誕生日おめでとう…アレイスター

 

( ーデ?)
ふいに切ない気持ちに襲われたクロウリーはベッドから起き上がり、部屋を見渡した。

自分以外誰もいない部屋。
だがそこは絶望や孤独に冷えてはいなかった。
クロウリーはかつて見上げたように空をみあげると、穏やかに微笑んだ。
「さて、休憩終わりである。訓練に行ってくるである」
誰かに伝えるように呟きドアを再び開いた。

外の世界へ

<Ende>2008.12.01